Social Worker's Note

社会福祉士です。現場で感じたことや考えたことを発信します。

乱読

eureka742008-03-08

 この2日で3冊の本を一気に読破。頭にちゃんと入っているかは不明。

 『発達障害の子どもたち』(講談社現代新書)。これはいい本だと思う。発達障害の基礎論してはかなりレベルが高い。障害の問題には遺伝の問題と養育環境の問題の二つがあり、後者が大切であると主張している。障害領域は苦手分野であるけれども、養育の問題として共通項を見出せる。

 『視点をずらす思考術』(講談社現代新書)。森達也の文章が好きだ。どの本も同じことを書いているけれども、それが魅力だと思う。今回は短いエッセー集であるが、読み応えはある。カリスマへの忖度というキーワードを頂戴することにする。いまの私が所属している組織はまさしくこれである。

 『スクールソーシャルワーク論』。スクールソーシャルワークの理論書。来年度の何度も話題になるであろう新しいソーシャルワークの領域である。ここで予言をしておこう。主導権争いをめぐる政治的な争いが一気にはじまり、みんなが嫌な思いをする。そして、大切な核は薄められて、制度だけが定着する。何度も述べているように、ソーシャルワークは「する」ものであり「なる」ものではない。「なる」という志向が強くなるときにロクなことは起きない。

 さらに個人的な直感としては、ソーシャルワークと学校文化ほど相容れないものはないと思う。学校という文化に向かってソーシャルワークを展開したいならばそれなりの戦略が必要ではないか。あまりにも純朴すぎる。だからイマイチ乗れない理由はそこにある。学校という組織の恐ろしさを思うと、不用意には近寄りたくないと正直に思う。