Social Worker's Note

社会福祉士です。現場で感じたことや考えたことを発信します。

政治は語らない!

eureka742006-06-07

 師さんの『出会えてよかった』読了。先人の偉大なドキュメントだと思う。現場に根をはって実践を重ねている人がいるということが嬉しい。先人たちの歩みを踏まえて、自分には何ができるのだろうかと自問した。
 ただ2点ほど気になることがあった。一つ目は、過去のドキュメントに現在の視点から手を入れてしまっていること。これはやってはいけないのではないかと思う。そのほうがごつごつしていてよかったと思う。もう一つは、最後の書き下ろしの部分について。障害福祉行政についての意見はいらない。実践家は安易に政治を語らないほうがいいと思う。怒りがあるのはよく分かるけれども、厚生労働省に怒りをぶつけてもあまり意味がないと思う。最後の部分で興ざめしてしまう。政治は強者、福祉は弱者という枠組みで語ることはもはや無効である。

 この2点を差し引いたとしても、この本は広く読まれるべきだと思います。

 昨日も研修。精神科医による愛着障害のレクチャー。ウィニコットが引用されている。他の聴講生は寝息を立てているなかで一人興奮しながら聴く。いま勉強しているせいもあって、私の方がもっとうまく説明できると思った。この職場のなかでウィニコットの話ができる人がいるということを確認できたのでよかった。