Social Worker's Note

社会福祉士です。現場で感じたことや考えたことを発信します。

静養

eureka742008-05-10

 胃腸の調子がイマイチ。すっきり感はない。全快までにはもう少し時間が必要かな。

 『沈黙のファイル』(新潮文庫)。魚住昭の著作一気読みを継続中。反骨のジャーナリストの筆に魅入っている。今回は戦中および昭和史を陰で操ったフィクサーの物語。強烈な自己意識と世界を動かしている自負の強さに圧倒される。自分は特別な能力を持つ人間であると疑っていないに違いない。

 能力と自意識。この二つがあれば世の中はたいがいスイスイ生きていける。それは戦中も戦後も同じだ。こういう人と対等にやりあっていくためには何が必要なのかな。市井の人とか言っても相手にされないだろう。

 魚住の筆は世の中を操作していく人物の軌跡を追っていく。そして、それを声高な貶めるようなことはしない。こういう怪物たちをまず見つめること。それが彼らへの抵抗の基点となるのだろうと思う。