接吻

　今年の1本になるであろうと確信をしながらユーロスペースへ。

　小池栄子のスクリーン映えは以前から分かっていたけれども、今回は目が凄い。言動は普通のＯＬを演じつつ、目は死んでいる。黒目に吸い込まれるようなスリルを覚える。この黒目が一番怖い。

　「わたしのことをどうかしようとしないで」「放っておいて」という叫びが切ない。

　一つだけ気になったこと。裁判所の法廷には光は差し込まないのではないかと思う。外から撮影されたりする可能性があるので遮断されているはず。今回黒に注目しただけに光の差し込み方が気になった。実際の事件からインスパイアされた作品であるかもしれないけれども、純粋な恋愛映画である。男と女と男がいるところにはドラマとサスペンスが生まれるのだ。

　息子はじめての単独バス。渋谷まで。10分弱の一人旅。ちょっとずつ慣れてください。