児童相談所が増えること
今回の国会で児童相談所の設置基準が改定されるようです。
これまでは都道府県と政令指定都市に設置義務のあった児童相談所が、中核市や東京23区にも設置できるようになりました。これで法律は整いました。
後は各自治体の判断となります。
基本的には地方分権の観点でも歓迎すべき改定であると私は評価しています。
一方で、法律を変えれば児童相談所が機能するかといればそういうものではありません。児童福祉司の仕事の質が児童相談所の機能を決定的に規定してしまうのが現実です。出会った児童福祉司がきちんとした仕事をすれば、その児童相談所の評価は上がり、児童福祉司がダメであれば、その児童相談所の評価は下がります。
福祉司各自のパフォーマンスを上げていくことが本当の課題なのだと思います。
我が国では児童福祉にかかわるソーシャルワーカーの仕事の質に着目した研究は皆無です。現場はそれをまとめる時間はなし、研究者は現場を知らなすぎます。
法律の改定のような上からの変革と、人材育成のような下からの改革がうまく噛み合ったときに児童相談所はミッションを果たすことができるのではないかと思います。
私は実務者として後者の議論にエネルギーを注ごうと思います。
余談ですが、児童相談所をスリムにするためには、療育手帳の検査を児童相談所の業務から外すべきだと思います。障害の相談は入所だけにするという思い切った整理が必要だと思います。そういう小さなことを一つずつカットしていくことが大きな変化につながるんじゃないかと思います。
でも障害領域の人たちの負担増につながるので、そんなに簡単な話ではないのも事実です。制度を変えるというのは本当に大変なことだと思います。