Social Worker's Note

社会福祉士です。現場で感じたことや考えたことを発信します。

『チョコレート・ドーナツ』ー養子を扱った映画作品を振り返る⑨

 


映画『チョコレートドーナツ』予告編 

 ここ最近で最もヒットした養子を扱った作品かもしれません。LGBTと養子というテーマを上手に組み合わせたドラマです。

 

 ラストは大変せつなく、胸が締め付けられるような終わり方でしたが、ドラマとしては大変見事な終わり方だと思いました。

 

 LGBTというカテゴリーに入る方々みんなが、子育てが可能かと言われれば、そうでもないでしょう。うまくいかない場合もあるかもしれません。

 

 反対にヘテロセクシャルだって、子育てがうまくいかない場合だってたくさんあります。要するに性差に関係なく、その二人の間に信頼関係があり、子どもを養育する余裕や、子どもという存在を含んだ人生を二人で作り上げていくのかどうかが大事なのだと思います。

 

 映画の主人公二人にはそれがあるように思えました。その二人がたまたまLGBTというカテゴリーに入るだけの話です。

 

 しかし、社会は二人の個別性を踏まえることはほとんどありません。類型化されたカテゴリーのなかで社会生活は進んでいきます。そのことが社会を硬直化させていくのかもしれません。

 

 まずは日本の社会にはLGBTというカテゴリーに入る人たちがたくさんいて、社会の類型化されたカテゴリーの一つとして認められる必要があるのだと思います。

 

 それは日本の社会に養子という制度で結ばれる親子がいるという現実も同じだと思いました。