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黒木華のこの時期の美しさをきちんと撮り切っただけでも岩井俊二はさすがだと思います。黒木華祭りとでもいうべき作品になっています。
『LoveLetter』の中山美穂、『四月物語』の松たか子に連なる、当代一番美しい女優たちという系譜に位置づけることができると思います。
岩井作品は、学校文化のなかで展開されるという仮説を私は以前に立てことがありますが、今回の主人公が非常勤教員であることで、さらにそのことを確信を深めました。
今回は学校文化のその後が描かれているという意味では大変興味深い作品になっていると思います。
黒木華という女優は、いまを生きている女性のプリズムのようであると思いました。彼女を通すことによって、劇場で観ている自分がそこに自分を発見してしまう感じです。
彼女の一番美しい時期に撮られた作品として、この作品は記憶されるべきだと思います。