正論によって見えなくなること
今回の国会で児童福祉法が改正される予定です。これまでにない大きな規模の改正です。少しずつですが、こうやって進歩していくのだと思います。
今回の一つとして、上記のレポートにあるように児童相談所に弁護士を配置することが義務づけられるようです。
これは一見前進のように見えますが、児童相談所が司法機関のようになってしまうのではないかと危惧も抱きます。
私の実務感覚からすると、児童相談所が弁護士や裁判所を必要とする案件は、そんなに多くはありません。基本的には相談援助やソーシャルワークの技術によってワークするべきであって、司法的な手続きが必要になるのはそのなかでうまく機能できない案件だけです。
少し言い過ぎかもしれませんが、相談援助やソーシャルワークの技術に自信や確信がないために、司法的な手続きで先方を圧倒さえようとする防衛のように見えます。
一方で、弁護士業界もロースクールが出来て以来、弁護士は増えてはいるが、仕事がないという話を聞いたことがあります。そのことを合わせると、今回の話は弁護士の職探しという点においてウィンウィンの関係になっているのだろうと推測します。
福祉の立場にいる者が、安易に司法に寄りかからないようにしておくことが、お互いの専門性の向上と連携において大事になるのではないかと思います。