Social Worker's Note

社会福祉士です。現場で感じたことや考えたことを発信します。

5.5から4へー最低基準の改正へ

 児童養護施設の職員の最低基準が改正される。今回の安倍内閣で注目してよい政策である。施設に訪問すると、総理大臣になる前の安倍さんの写真が飾ってあったり、安倍さんの奥さんが養護施設の役職をやっていたりすることはあまり知られていないと思う。今回のサービスというよりも、これまでの関心に予算が付いたというのが正しい理解だと思う。

 

 民主党政権時には、「6」から「5.5」という非常に中途半端な改正でしかなかったけれども、今回は思い切って「4」まで引き下げたのは素晴らしい手腕だと思います。

 

 これで現場は言い訳ができなくなります。希望通りの配置基準になったわけですから。人手が足りないとか言えなくなります。

 

 子どもにかかわる職員が増えることはいいことですが、それは大人側が同じ方向性でかかわることができたときです。施設の指導員経験者の私が断言しますが、大人がいろんなかかわりをすれば、子どもは確実に混乱をします。そして不安定になります。

 

 人数が増えた分だけのチームを束ねる力が絶対に必要だと思います。おそらく若手が大量に採用されるでしょうから、余計にその力が必要となります。

 

 職場の人数が増えて、職場が混乱し、子どもたちがそれに反応して不安定になるという事態を乗り越えて、初めて最低基準の改正の成果を味わうことができるはずです。

 

 当面は人が増えて、むしろ大変だ、みたいな感覚が現場を支配すると思います。