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- 作者: 杉山春
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2013/09/04
- メディア: 単行本
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二児が餓死をするという悲惨な結果となった事件を丹念に追いかけている。必読の書であることは間違いない。
ただし、最後の性風俗を生業というする女性たちのインタビューでルポの濃度が落ちていると思う。
この事件のことを徹底的に追ってほしかった。二児の母方祖母についての言及がほとんどない。事件を深堀するということが中途半端になっているような気がする。
性を売り物にしている女性たちという一般化はある程度成功しているとは思うけど、そういう女性たちがみんな子どもたちを餓死させるわけではないのだから、この事件の固有性をきっちり浮かび上がらせてほしかった。
事件を一般化してしまうことで、事件の強度が奪われてしまうような気がして少し残念だった。