Social Worker's Note

社会福祉士です。現場で感じたことや考えたことを発信します。

からのゆりかご―大英帝国の迷い子たち

からのゆりかご―大英帝国の迷い子たち

 『オレンジと太陽』の原作となる本。映画ではカットされていたエピソードが満載だった。特に国や行政からの無理解やバッシングについては具体的に書かれている。


 その当時、その局面での「善意」が、別の時代、別の局面では「虐待」となってしまう。それが現実なんだ。人はその時にベストを尽くしたと思っても、その後にそれが最悪の選択だったということもある。


 その時に大事なことは、その当時の「善意」を正当化するのでもなく、別の時代の「正義」を振りかざして、その当時を糾弾するのではなく、困っている人ひとりひとりに手当をしていくことなんだろう。


 『オレンジと太陽』は、原作のダイジェスト版という趣きであるが、原作を尊重しつつも、エミリーワトソンの素晴らしい演技により、素晴らしい作品になっている。