元
児童相談所職員による小説。大切な機関でありながら、なかなか理解されない
児童相談所の内側の一面をしっかり描いている。
児童相談所で働くことになった人や、
児童福祉司になりたい学生にとってはよい絶好の入門である。業界内用語も適切に使われており、
児童相談所のことをよく理解していることが伺える。ただ援助の展開については、楽観的な記載が強すぎる。悪循環から好循環に入ることをいつも全力で期待するけれども、なかなかそうならないところが現実なのだから。もう一つ注文を付けるとすれば、主人公の人物描写をもっと具体的に描くべきだと思う。年齢や育ってきた環境についての描写がないので、主人公に感情移入できない。援助する側の個性によって、援助過程で起こる相互作用(関係性)の質は違ってくるのだし、それが
児童相談所のダイナミズムの所以でもある。たとえば、虐待母よりも年上なのか年下なのか。自分にも子どもがいるのかどうかによって展開や発言や対応は違ってくるはずだから。
夕方からは東京ミッドタウンへ。仕事で飾ったツリーを確認しにいく。他の物に負けていないと思う。セレブたちよ、高く買ってくれ。