Social Worker's Note

社会福祉士です。現場で感じたことや考えたことを発信します。

四川のうた

eureka742009-05-07

 ジャジャンクーの最新作。『長江哀歌』で世界の名匠になったしまったように思うが、今回も巨匠であることを拒否し続ける姿勢が伝わってくる。変貌を遂げる中国の風景とそのなかで生きる人びとへのまなざしは一貫している。今回は閉鎖される工場が最も栄えていた時に働いていた人から、そこで子ども時代を過ごし、工場を過去として生きている人までのインタビュー集である。ある工場を巡って様々な生を交錯させていくその編集が素晴らしい。登場人物のなかに俳優が入っているらしい。資料で確認しない限りは判別がつかない演出ぶりにさらに驚かされる。登場人物が語る話はどこまでも「あったであろう過去」であった。

 夕食は金目鯛の煮付けと人参の和え物とみそ汁を作る。料理を作っている時が無心になれる。いま私に一番必要なことは無心という境地だと思う。