意思尊重
父子で実家へ。息子は地元のお祭り。私は銀座で『歩いても歩いても』。
息子の方は炎天下での練り歩きを断念していた。体調が下降気味であったし、この環境で無理をしたらとんでもないことになりそうなことを息子は予感したのだと思う。彼の意思を尊重することとする。
『歩いても歩いても』。是枝作品のなかではもっと出来がよいのではないかと思う。おそらく自分自身の家族を掘り下げた末の作品であることが傑作を生み出したのではないかと思う。これまでのように妙に社会性を意識した作品よりも、一人称を彫り下げたところに、家族の普遍性を見出すという逆説が光っている。
個人的には夏川結衣と樹木希林の絶望的なコミュニケーションが身につまされる。原田芳雄の演技もとてもよい。今年の日本映画は家族を主題にしたものが多い。『ぐるりのこと』と『トウキョウソナタ』(未見)と比較しても悪くはないという印象を持つ。でも音楽は余計だった。エンドロールのところだけでよかった。こんな押さえた音楽なのに、とてもうるさく感じさせてしまうので、映像の力だと思う。
大学時代の友人からの再婚の知らせ。自分の人生、他人の人生、いろんなことがあります。