Social Worker's Note

社会福祉士です。現場で感じたことや考えたことを発信します。

感じたままに

eureka742007-05-03

 水曜日の午後から休みを取って連休後半に備えました。いろんなことをしたので順番に。

 1.松岡錠司『東京タワー』新宿ジョイシネマ。原作も読んでおらず、テレビ版も見ていない。映画だけにしておこうと心に決めていました。松竹が渾身の力を込めた作品なんだろうと思います。チョイ役の人たちもやたら豪華だし、オカン役のキャスティングにも凄さを感じます。上品な泣けるドラマになっているという点では評価していいと思いますけど、『チーズとうじ虫』を見てしまっているものとしてやはり「ドラマ」であるという断定をせざるをえないということでしょうか。


 2.コーヒー屋へ豆を購入。マスターがやけに人生を振り返っている。ちょっと心配になる。80歳を超えてなお他の追随を許さない孤高のコーヒーを煎りあげている職人。いつまでも元気でありますように。


 3.読書会。2ヶ月ぶりの参加。「まなざしの暴力」について考える。親が子どもをまなざさないというのも立派な暴力であり虐待であるということを考える。ウィニコットはやっぱり凄い。同年代の新メンバーが参加。刺激を受ける。


 4.『東京から考える』を読了。ほぼ同年代の思想家二人による東京をめぐる対談。家族という問題へどう切り込んでいけばいいのかということを迷っている行に触発される。いくら聡明で知的であったも家族の問題は簡単には処理できないようだ。みんな当たり前のように生きているけれども、まだ何も論じられていない家族。都市論もそこに生きている人が浮かび上がってこないようなものには共感を覚えない。


 5.『神童』シネマライズ。母子は『コナン』へ。天才ピアニストをめぐるドラマ。「大丈夫、私、音楽だから」というセリフが頭に残る。メロドラマではないけれども、主人公の間にかけがえのない空気が生まれている。その頂点として主人公の女性が明け方に男性に軽くキスをするシーンがとてもよかった。恋愛という言葉では捕らえきれない微妙な対の空気をこの監督はしっかり描いているように思う。前作『望郷』もそんな空気が焼き付いていたように思う。