叫
本日は個人の休暇。黒沢清『叫』シネセゾン渋谷。ホラー系の作品はまったく受け付けない体質だが、唯一劇場で見たいと思わせる監督である。今回も恐怖をきっちりと描いており、背筋がゾクゾクするような展開であった。
伊原剛志がとてもいい。そして最後の消え方も抜群だった。『硫黄島からの手紙』を含めていま一番輝いているバイプレヤーではないかと思う。
目の前のあるものは見えないけれども、それを幽霊を通して発見する。幽霊は私たちを現実に引き戻す媒介なのだと思う。私たちは現実を見ていると確信して、幽霊などは実在しないと簡単に言うけれども、果たしてそうなのだろうかと監督は問うているように思う。怖がらせるだけのホラーではない。恐怖とは何かという問いを含んだホラーはより怖い。