Social Worker's Note

社会福祉士です。現場で感じたことや考えたことを発信します。

かかわらないほうがいいに決まっている。

 先週末に観た『それでもボクはやっていない』について。ここ最近毎日のように監督の姿や声を聞きます。私の知る限りこの人の生きざまはかなり魅力的で刺激を受けています。監督のようにエレガントにいたいものだと反省します。

 今回の作品は監督がはっきりといっている通り、刑事裁判をしっかり見せることが最大の目的だと思います。そしてそれに成功しているとも思います。個人的には照明が明る過ぎるのではないかという印象を受けました。実際はもっと暗いはずです。さらに個人的な好みをいえば、キャスティングに新鮮さがほしかったです。周防組といえばそれまでなのですが、みんな役者さんという感じが強く印象に残っています。これまで3作のインパクトが強すぎるのでしょう。

 私の感想は面白かったというよりも暗い気分になったという感じです。裁判なんて世界はかかわらないで済むならそれに越したことはないだろうと思います。仕事でちょっとだけ首を突っ込みましたが、同じような感想でした。裁判という場所まで行ってしまう前に人はいろんなことをするべきだと思いますね。裁判は何も解決してくれない。交通整理をしてくれるだけだ。時にはその交通整理が人生を狂わしてしまう。

 裁判が認定する事実なんて、事が起こってしまった後から事後的に承認される事実にすぎません。言葉と論理に裏打ちされた世界に憧れはありますが、私には適応できそうにもありません。

 周防監督には野球の映画を絶対に撮ってほしいと思っています。とんでもない傑作ができるような気がしています。