Social Worker's Note

社会福祉士です。現場で感じたことや考えたことを発信します。

抑圧系言説

eureka742006-06-29

 石原千秋『大学生の論文執筆法』を読了。私はこの手の本を抑圧系と呼ぶ。若者たちに現実の厳しさを一気に提示してそこから奮起を促すような言説。たしかに書かれていることはどれも間違っていない。だけれども読後感が非常に悪い。若者は錯覚する生き物だし、多くの錯覚から一つ一つ脱錯覚していくことが成熟なんだろうと思います。卵を外側から割るような強烈な言説にダメージを受けてしまうのはナイーブ過ぎるでしょうか。そのプロセスを一気に吹っ飛ばして、脱錯覚させるような表現に抑圧を感じます。いま流行の語り口だと思うので、「大人」たちには人気があるみたいですけど、この違和感を大切にしたいと思います。
 ただ参考にしたいスキルもありました。購入した本のリストを付ける。ちゃんと読むかどうは別としてもリストを付けるだけ意味があるとのことです。これはいただきです。やってみようと思います。