Social Worker's Note

社会福祉士です。現場で感じたことや考えたことを発信します。

善悪の彼岸

 今日もまた一方的に怒られました。こっちは組織的に対応しているからムカつく以外のことはないのですが、相手はトップに当たる人なのに感情的にヒラ職員を怒鳴りつけているのだからどうしようもないという感想しか出てきません。こっちだって不安なんだよ。自分だけ不安だと思ったら大間違いだ。

 胸糞が悪いままで試写会へ。ずっと観たかった作品。この作品の存在を知ってから1年くらいの時間が経っているかもしれませんが、ようやく出会えました。
 想像していた通りのドキュメンタリーでした。まず頭に浮かんだキーワードは「善悪の彼岸」という言葉でした。いいとか悪いとかそんなことを超越した次元をこの作品を生きているのだと思いました。だから素晴らしいと思います。

 人や世界への評価を停止したままで生きていくことってやはり難しいことです。人はいかに他者や世界を評価することに慣れてしまっているのだと思います。彼に必要だったのでは評価する人ではなく、評価を停止できる人だったように思います。家族というのはその重要な柱になったでしょうし、彼が居場所として感じていた里親もその一つだったに違いありません。主人公にカメラを向け続けた監督は、最初は評価する人だったはずなのですが、カメラを向け続けることによって判断を停止させたのだと思います。それはとても過酷な時間だったと思います。だから本当に本当に貴重なドキュメントとなったのだと思います。だから絶対に観た方がいいと思います。