問題なのかサインなのか
大人からみて「問題」だと認識される事柄は、子どもにとってはその状況を改善していきたいという希望のサインだったりする。でも大人はそれを「問題」だとしか思っていないから、希望のサインだとは思えない。そうやって、子どもと大人の相互作用は拗れていく。
ウィニコットは非行は希望へのサインであると宣言した。これはまったく正しい。それは、子どもは非行(問題)を起こすことによって、置かれている環境に対する異議申し立てをしているのだという基本的な認識である。
普通に考えれば、問題でしかないことを希望のサインであると変換する力は、当事者である家族は認識することが困難かもしれない。それを変換して、翻訳して、保護者に理解してもらうことがソーシャルワーカーの仕事である。
現実はそんなにうまくいくとは思わないけれども、ひとまずは仮説を立てて、それで説明が成立するのかどうかを検討する余裕がほしいと思う。