#007
〈人間苦〉としての虐待現実というフレームワークを作動させることで、加害者となってしまった人物への見方が変化してくるはずです。加害者というラベルの奥に、人として孤立し、自分の人生を悲観し、不安や怒りを暴発させてしまう人がいる。
ソーシャルワーカーは、その加害者を責めることがが仕事ではありません。それは警察なり検察なり裁判所が行うことです。私たちはその後ろ側にうごめいている人間苦に思いを馳せるべきなのだと思います。
そうすることで、加害者が被害者でもあるという逆説と出会うことになります。被害者でもあり加害者でもあるという一人の人間を理解しようとすることこそが、ソーシャルワーカーとしての想像力なのだろうと思います。