一度観ただけでは理解できない。一つの女性をめぐる語りの万華鏡だ。それぞれの人たちが語ることによって、一人の母が浮かび上がり、その後にそこから生まれる一人の女性の物語である。
私は他者だと言ったのは、ランボーだったような気もするけれど、他者の語りによって自分は作られるのだ。自分は自分であるよりも他者によって規定されるいるのだと思う。
この監督は本当にスマートだと思う。感傷的にさせずに、編集を繰り返すことによって、自分という虚構を作り上げている。
あと10年経てば、また別の編集(自分)になるだろう。
久しぶりに知的な映画を観た。