Social Worker's Note

社会福祉士です。現場で感じたことや考えたことを発信します。

朝日新聞特別養子縁組促進の記事が断続的に出ている。総論は正しい。その総論に反論しようとは思わない。ただ実務を司っている立場からすると、こういう総論をいくら繰り返しても、特別養子縁組の数は絶対に増えない。仕組みを変えない限りは絶対に増えないのだ。


ポイントだけをぎゅっと絞れば、親権の問題なのだと思う。これまでの児童福祉相談システムは、親権の下で機能してきた。親権者が最大に尊重され、親権者の意向を無視することは決定的な瑕疵となる。親権者の意向を尊重すれば、養子に出すという選択肢は消極的になるに決まっている。


日本の民法における親権の位置づけをどうするのかを論じないとこの問題は展開していかないのだ。


子どもの問題は、福祉の問題ではなく、法律の問題でもある。これまで福祉の枠組みに頼りすぎていないだろうか。そういう問題意識で考えるべきだと思う。