Social Worker's Note

社会福祉士です。現場で感じたことや考えたことを発信します。

http://synodos.jp/welfare/3308
この論文を読んで、複雑な気分になりました。ある現実を語る場合に、扇情的な事実を盛り込むというのは個人的には好きではない。こういう語りが流布することによって再生産され、語りが現実を規定してしまうであろうこと。


内部にいる人がこの論文を読んだときに、一緒に課題を解決していこうという気持ちになるかどうか。私はならなかった。


多くの人がこれで分かったつもりになるんだろうけど。その程度の理解しかしない人に、児童福祉の現場が置かれている過酷さは分からないだろう。別のホットな話題があれば、そっちに言ってしまうに決まっている。


自分が何かを書こうとするならば、そこにいる人たちの苦しさや大変さに届くものでありたいと思う。それが書くことの倫理だと思う。


現場を語ることの難しさも同時に感じる。このライターさんは誠実な人なんだと思います。でも文体が現場を裏切っているのではないか。


久しぶりに本気で反論したい気分にある刺激的な論文だった。