Social Worker's Note

社会福祉士です。現場で感じたことや考えたことを発信します。


ケン・ローチ天使の分け前』だん。試写にて拝見。底辺にいる人間が登場する作品を一貫して描いているのがケン・ローチの作家性である。左翼的人間観とでもいうべきか。今回もハラハラドキドキありのコメディーとして上質の出来になっている。


主人公の荒くれ青年が一発逆転を賭けた行動があまりにも完璧すぎて、それ以前の衝動性や暴力性と乖離しすぎているのが気になる。そこをもう少し丁寧に繋いでいけばラストのカタルシスはもっと高まったはずである。


日本も強弱の差はあれ、格差社会は侵攻しているわけで、こういう一発逆転物語が紡がれてもいいのではないかと思う。