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イーストウッドの作品を毎年スクリーンで観れることをまずは喜ぶべきだと思う。昨年の『ヒアアフター』から今年はこの作品。縦横無尽に映画を撮っている。これから20年くらい毎年劇場公開作品が続いたら本当に幸せだと思う。
この作品も本当に魅力的である。『ソーシャルネットワーク』と言い、アメリカには映画的な怪物がまだまだいるのだと思う。
本当に嫌な権力者としかいいようがない人物だけど、ラブストーリーに仕立ててしまうところがイーストウッドの凄みなんだ。
世の中には二種類しかない。権力に飲み込まれてしまう人と、権力を使いこなす人である。この人物は、明らかに前者だと思うけど、その愚かさこそが、観客である我々自身にも巣くっているからどうしようもなく愛おしさと切なさを感じさせるのだと思う。