Social Worker's Note

社会福祉士です。現場で感じたことや考えたことを発信します。

闇の子供たち

eureka742008-09-08

 夏季休暇4。久しぶりの快晴ということで布団やシーツを干す。朝までに家事を済ませて渋谷へ。 
 映画館のはしご。『闇の子供たち』『百万円と苦虫女』。前者は衝撃のラスト。子どもたちの悲惨な描写に注目がいってしまうけれども、ドラマとしてとてもよく出来ていると思う。日本で移植を待つ家族と臓器売買されてしまう子どもがある一点で繋がっていくという現実をもっとみせてほしかった。豊原功輔が助演男優賞だと思う。後者は蒼井優のためにある映画。90分でいいじゃないかと思う。森山未来との絡みにときめかなくなっているのは加齢のせいだろうと思われる。とはいえ、今年は日本映画が豊作なんじゃないかと思います。

 夜は九州物産展で購入した皿うどん。試食のときはもっとおしかったはずなのに。

 忘備録として。高橋順一2008『共同幻想論』読解の試み、現代思想『総特集 吉本隆明 肯定の思想』vol36-11
 吉本のいう幻想過程とは、私たち人間において現実的・物質的な生存過程からある必然性をもって生じる逸脱を通して形成された一個の余剰(過剰)領域、言い換えれば私たち人間がこころや感情、意識を持ち、それに基づいた自己了解の構造を自身の存在の内部に産み出してしまうことに根源的には根ざしている、人間存在の物質性・客観性には最終的には還元することのできない領域を意味している。つまりこの逸脱・過剰領域−吉本が「異和」(『心的現象論』)と呼ぶ領域−は、自己が「ある」という存在感覚に根ざした人間の全心的過程の根源をなすゆえに、固有な自立した領域として存在しているのであり、したがってこの幻想性は場合によっては客観的現実そのもの以上に強固な現実として自己内部で感受されうるのである。いやむしろ端的に、客観的現実そのものを超える強さと堅牢さをもった領域であると言い切ってよいだろう。