Social Worker's Note

社会福祉士です。現場で感じたことや考えたことを発信します。

被害と加害の乱反射

eureka742008-06-17

 職場でのストレスが高すぎるためにリフレッシュ。

 『靖国』と『おいしいコーヒーの真実』のはしご。

 『靖国』。朝1回目。10人弱の入りで、スクリーンの前には進入禁止の柵があった。スキャンダラスな雰囲気は全く無し。内容も特に騒ぐことはない。バランスよく編集されている印象を受ける。中国人による映像のフィールドノート。この監督20年ちかく日本にいるらしいが、日本語があまり上手ではない。

 被害と加害の乱反射。ある人たちは、過去の加害の事実を国のために死んだ被害者であるといい、ある人たちは、過去の被害の事実を糾弾して加害者のように振舞う。この磁場においては、被害と加害が乱反射を起こしているのだと思う。そして、この二つ人たちに共通していることは、死者の代弁者だということである。何かを代弁するときに人は強くなることができる。それがお互いをヒートアップさせていく。当事者たちは寡黙なものだと思う。私はどちらの主張にも一理あると思った。でもどちらの立場を応援しようとは思わない。この神社は、このままにしておけばいいのではないかというのが私の意見だった。事実をしっかり知った上でどちらにも汲みしないという立場があってもいいのではないかと思う。

 コーヒーを巡る搾取の問題。1杯のコーヒーを飲むことによってエチオピアの人たちの貧困を助長しているかもしれないという恐ろしいお話。原産農家から消費者に届くまでに6回の仲介があるそうだ。そのプロセスのなかで誰かが確実に設けていて、生産者確実に搾取されている。その入り口と出口を見せるドキュメンタリー。このプロセスこそを見せるべきだと思う。取材拒否をされている旨が表記されているけれども、次はそこに突っ込んでほしい。でないと映画ではなく情報で終わってしあうことにならないか。
 コーヒーチェーン店でのコーヒーは飲まないようにしているけれども、これでますます嫌いになった。味もそうだけど、この搾取の一役買っていることを深く自覚した。「おしいい」という形容は余計だと思う。タイトルを決めた人たちはおいしいコーヒーを飲んでいないのだと思う。飲んでいたらこういうタイトルにはならないはず。エチエオピではコーヒー豆のことを「ブラックゴールド」と呼ぶらしい。

 母校大学図書館へ。クレアウィニコットの論文集をコピー。なぜか一冊だけ所蔵されていた。ラッキー。簡単な手続きで入館させてもらえるのがありがたい。この大学の出身でよかった。大きな図書館に来ると胸騒ぎがする。たまには足を向けてみるべし。

 夜はかつおのたたき。にんにくとしょうがとポン酢で上手に出来た。