Social Worker's Note

社会福祉士です。現場で感じたことや考えたことを発信します。

抽象と代表の病

 来年度の予算がはっきりしてきて、関係している自治体の大きな事業を知る。要するに財政力に尽きます。ここから学ぶべきはそこで働く職員が偉いのではなくて、しっかり納税している市民の方が偉いということ。ハードを使いこなすだけの援助が展開できるのかがやっぱり大切だと思います。

 なるべく積極的に仕事をしようと思っているのですが、前に出ようという気持ちが萎えています。何を言っても反響しないという環境も人間をダメにしていくような気がします。過適応しないようにすること。

 大臣の問題発言その2。今回の方が致命的なような気がします。あの文脈で「健全」という単語を入れる必要がないにもかかわらず思わず言ってしまう。家族という固有な関係を抽象的に論じることに病の深さがあるのだと思います。家族という固有の関係(環境)を政治という全体の利益という抽象化した空間のなかで考えることにこの問題の困難さがあるにもかかわらず、後者の論理でしか語らないことに問題があるのだと思います。批判する側も勝手に「女性の代表」みたいなことを言うから同じ土俵に立ってしまう。どっちも抽象と代表の病に罹っているのです。「対幻想」を理解していない人が家族を語ると必ずこの隘路に陥ってしまうのだと思います。