Social Worker's Note

社会福祉士です。現場で感じたことや考えたことを発信します。

実践において書くということ

 いつかちゃんとしたものにしたいと思いつつ、思いつくまま以下に書きなぐる。

 臨床という現場において「書く」ということはどんなことを意味するか。「書く」という行為は「見せる」という行為と不可分である。その二つの行為が結びつける接着剤みたいなものが「自己顕示欲」だろう。臨床の現場で出会った「ケース」を研究対象としてあたかも学問的に価値があるかのように見せかける。そして研究者としてのポストを得ていくという流れが確実に存在している。下品な振る舞いだと思う。この流れにいかに逆らって生きているのかが私にとっての重要な課題である。研究であるという大義名分を語る人に限って自己顕示欲が強いというのが私の観察である。

 ただ「書く」ということであれば、ブログやホームページに書き込めば済むことである。しかし、それらを「見せる」という行為がない限り、人は書かないともいえるのではないか。

 私は職務上出会ったケースを基にして何かを書こうとは思いないし、見せたいとも思わない。それはあくまでも一つのケースであってそれをそのまま披露しても何の足しにもならないからである。しかし、そんな語りが溢れている。それは自分に課している倫理みたいなものである。だれにも共有されないかもしれないけれど私は心に決めている。

 ただだからといってそれは「書く」という行為を捨てることを意味しない。ケース紹介ではない形で自分の仕事のことやそこから見えてくる課題や問題を他者たちと共有したいという気持ちがあるのもまた事実である。