Social Worker's Note

社会福祉士です。現場で感じたことや考えたことを発信します。

2017年07月22日のツイート

2017年07月21日のツイート

2017年07月20日のツイート

2017年07月19日のツイート

『草原の椅子』ー養子を扱った映画作品を振り返る③

 今回は『草原の椅子』です。宮本輝原作の小説の映画化だそうです。

 

 赤の他人である子どもを育て、養子にしようとする父子のお話です。そもそもその設定自体がアクロバットな印象を残します。赤の他人が子どもを育てるという設定自体が現実離れしているように思います。

 

 エンドクレジットに複数の児童養護施設の名前が出ていますが、本編では「施設」は避けられるべき場所として描かれており、本来の役割とは違う扱われ方をしているのではないかとも思います。

 

 今回一番気になったのが、実父母の演出のされ方です。役者たち自身のせいではありませんが、まったくリアリティーがなかったです。演出ミスだと思います。

 

 実父母をクレイジーに演出することで、子どもの悲惨さを浮かび上がらせる方法ははっきり言ってダメだと思いました。

 

 作り物だからそこまで厳しく言わなくてもと思われる方もいるかもしれませんが、リアリティーを欠いてはドラマのクオリティーは高まらないと思います。そして、139分は長過ぎです。

 

 黒木華の娘役はよかったです。複雑な文脈を演じることができる素晴らしい女優さんだと思います。

 


映画『草原の椅子』予告編

2017年07月18日のツイート

『JUNO/ジュノ』ー養子を扱った映画作品を振り返る②

 二本目は『ジュノ』です。こちらは、予期せぬ妊娠をしてしまった16歳の少女が、実子を養子に出すお話です。リアリティー追求というよりも、予期せぬ妊娠をポップに乗り越えようとする青春ドラマになっています。

 

 日本だとこういう風に明るく物語を描くこと自体に抵抗が発生しそうな気もします。

 

 主人公の女の子もどこまでも前向き、悩むことがありません。周囲の大人たちをひっぱっていくような力強い女性として演出されています。

 

 音楽の使い方や映像の処理も非常に明るい感じです。予期せぬ妊娠が見舞われた女子高生の青春物語というのが正しい評価だと思われます。

 

 養子となる男女の方はどこまで情けなく描かれています。特に父親候補の男性は完全にダメ人間になっていきます。その結果やはり「母は強いのだ」というメッセージがビンビン伝ってくることになってしまいました。


JUNO/ジュノ (Juno)